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(15) 達谷窟(たっこくのいわや) |
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観光旅行の途中、この窟を訪ねたのは、今から二十年も前だったと思う。薄暗い窟の中に数十体の毘沙門天が安置されており異様な雰囲気に驚いた記憶がある。 |
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昨夜も誰かに聞かれたが、何故か参道の途中に鳥居が建っている。神社と仏堂が同じ境内にあるのはしばしば見られるが、鳥居をくぐって仏殿に詣るのは確かに珍しい。特に左右に稚児柱を設けたこの鳥居は、厳島神社などに見られる両部鳥居で、華やかに朱で彩られて鮮やかである。東北人は寺で拍手をうつという話を思い起こした。 |
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岩手県内には毘沙門像の名作が多く残されていることはよく知られている。5mに近い大きな像で、足元に地天女や毘藍婆、尼藍婆が完全な形で残された東和町成島の毘沙門天像。鉈彫りで名高い江刺藤里の毘沙門天像。あるいは北上市満福寺の立花の毘沙門天像などが名高い。
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この寺にはこれだけ多くの像があるが、文化財指定の像としては、窟の手前の杉木立の中にある不動堂の本尊不動明王像のみが県の文化財に指定されている。
不動明王坐像(像高275.7cm 寄木造 カツラ) 火炎光背を負い、岩座に坐る大師様とよばれる大きな像で平安時代の制作と考えられており、円珍の制作と伝えている。顔面や胸部に制作当初の一部が残されているというが、後世の拙劣な補修のために確認することは難しく、光背、台座、頭部後半面などもヒノキ・ハルニレなどを使った江戸時代の補修で、制作当時の面影は失われている。 |
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近くの中尊寺や毛越寺とは異なり、訪ねる人も少ない寺ではあるが、それだけに古刹としての面影を残し、しかも東北に多い毘沙門天像を数多く伝える寺として是非一度足をのばすことをお勧めしたい。 |
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