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よくある質問と回答
(仏像の見方)



[1-1] 飛鳥時代の仏教文化の情報を下さい。

飛鳥時代の仏教文化について知りたいのでなんでもいいので情報を下さい


 大胆なご質問で、何でもいいと言われても、どうお答えしてよいか迷いますが、飛鳥時代の仏教文化について一般的なことを知りたいのであれば、ホームページで調べるのが手っ取り早いと思います。
 飛鳥地方の最新ニュースは、奈良新聞(http://www.nara-shimbun.com/)のNews考古学関連が詳しいです。
 その他、明日香村にある飛鳥資料館ホームページ(http://www.asukanet.gr.jp/)に、飛鳥地方、飛鳥時代に関するさまざまな情報が掲載されています。
 また、歴史一般のリンク集として、充実しているのが、
浜島書店 歴史のおすすめリンク集(http://www.hamajima.co.jp/chureki/)です。
 このなかの飛鳥の項目を見ると、細分化された飛鳥時代、飛鳥地方に関するリンク先が詳しく紹介されています。

 本は、それこそ山のように出版されていますが、本ホームページの文化財データ−文化財関係参考図書の入門書あたりを眺めてみて下さい。
 ムック版では、最近週刊朝日百科「日本の国宝」「日本の美をめぐる」などが出ていますので本屋さんでご覧になってはいかがですか?


[1-2] 清凉寺式釈迦如来について教えて下さい。

地元の仏像の本を読んでたら、江戸時代の清凉寺式釈迦如来があり、足の裏の模様も有り、なかなかのものだと書いてあったのですが、清凉寺式釈迦如来がよくわかりません。
事典で基本的なことはわかりましたが、江戸時代のもので貴重というのがいまいち飲み込めません。
何故なのでしょう?
清凉寺式釈迦像に関する文献があったら教えてください。


 清凉寺の釈迦如来像は、983年、宋に渡った東大寺の僧「ちょう(大の下に周)然」(ちょうねん)が請来した像で、胎内に納められた古文書から、天竺の優填王が生前の釈迦の姿を彫り出したものと伝える啓聖禅院の等身大の立像を、中国の仏師に模写させたものであることがわかります。釈迦像の胎内には文書・経巻・版画・鏡・古銭などの納入物の他、絹製の五臓の模型が納入されていたことから、生身の釈迦として扱われていたことが想像されます。やがて清凉寺釈迦像は、「釈迦瑞像」「栴檀像」「生身釈迦」等と呼ばれ、霊像として信仰を集めるようになり、鎌倉時代以降日本各地で、清凉寺釈迦像の模作が大流行しました。これらは「清凉寺式釈迦像」と呼ばれ、畿内・南関東・瀬戸内西部を中心に、忠実な模像が68体(うち20体は国重文)、変形像20体が現存しています。像容としては、衲衣(のうえ)を通肩(つうけん−両肩を覆う形)に着け、頭髪を縄を巻いたような形状に表すのが特徴です。
 江戸時代のもので貴重とあったとの事ですが、造像の経緯から、丁寧な作りのものが多く、また、全国にも数が限られていること、流行した鎌倉、室町時代の作例が多くそれ以降の優作が比較的少ないことを言っているのだと思います。

国の重要文化財に指定されている清凉寺釈迦像20体の内訳は、平安時代1体、鎌倉時代18体、室町時代1体となっています。指定以外のものの内訳は手持ちのデータ―が無いので不明ですが室町、江戸時代のものが多いのかもしれません。

仏教は、他の宗教と異なり多神教で、時代、宗派により、信仰の対象が阿弥陀であったり、大日であったり、法華経であったりと多種多様で複雑化しているため、いつの時代にも釈迦に帰ると言う動きがあり、江戸時代にも釈迦信仰は起こっています(現代の仏教系の新興宗教にも釈迦信仰に類するものが見られます)。

参考文献としては、
京都国立博物館編『釈迦信仰と清凉寺』(特別展目録)
毛利久「清凉寺釈迦像変遷考」(『日本仏像彫刻史の研究』所収)
猪川和子「東国の清凉寺式釈迦如来像」(『日本古彫刻史論』所収)
同「西国の清凉寺式釈迦如来像」(『美術研究』324.327)
前田元重「清凉寺式釈迦像現存表」(『金沢文庫研究紀要』11)
などがありますが、現在入手は困難なので、国会図書館、東京都立中央図書館などで調べられるよいと思います。
日本史小百科 彫刻    久野健編   近藤出版社 1985
仏像のみかた 技法と表現 倉田文作著  至文堂   1965
日本の美術  胎内納入品        至文堂
にも、清凉寺釈迦像の項目があります。(これらも入手困難か?)

東京の近郊の作例では、目黒区下目黒の大円寺の像が比較的古く、かつ原像に忠実な像として知られています。


[1-3] 如来から菩薩、四天王など、詳しく分かる書籍などを教えて下さい。

先日、念願だった清水寺の33年に一度のご開帳に行ってきました。
すばらしかったです。
そこで教えていただきたいのですが、如来様から菩薩様、四天王など、どのような役目を持ちどのような役目を果たしたか、など、詳しく分かる書籍などはご存じないでしょうか?


京都・清水寺の千手観音立像は、12月3日まで約10ヶ月に亘る長期の御開帳となっていますのでご覧になった方も多いでしょうね。今年は、滋賀・木之本地蔵院、岩手・中尊寺等、各寺院とも長期の御開帳が多いようです。京都では、その他、六波羅蜜寺の本尊十一面観音立像が、12月5日まで12年ぶりの御開帳を行っています。国宝に指定されて初めての御開帳という事で話題となっていますが、インターネット上でも御開帳されていました。こちらの方は残念ながら11月9日で終了となりましたが、大きな写真でしたので御開帳の雰囲気が充分に味わえました。インターネット時代の御開帳として興味ある方法だったと思います。

さて、仏像の解説本の件ですが、当ホームページでも、文化財データのページに、文化財関係参考図書一覧として、お勧めの解説書を掲載しています。このなかで、現在でも比較的入手しやすいものとして(すなわち、売れている?)下記があります。
また、写真が豊富に見たいということでしたら、現在ムック版で、沢山の仏像の本が出ていますので本屋さんでご覧になって下さい(あんまり多いので良く見ていません)。

「仏像彫刻の鑑賞基礎知識」 光森正士・岡田健編 至文堂 1993 3,689
  至文堂の文化財シリーズは、定評があります。
「やさしい仏像の見方」 西村公朝・飛鳥園著 新潮社 1983 1,500
「仏像の見分け方」 西村公朝・小川光三著 新潮社 1987 1,500
  僧侶であり、仏師であり、国宝修理所の所長であった西村公朝さんの解説は、
  やさしく丁寧で、かつ具体的で説得性があります。
「仏像鑑賞の基本〔改訂増補版〕」 久野健著 里文出版 1995 2,233
  最近改訂増補されました。姉妹編の「仏像鑑賞の旅」は、当研究所員も執筆
  しています。
「図説 仏像巡礼事典〔新訂版〕」 久野健編 山川出版社 1994 1,943
  仏像に関する解説、各地の仏像のリストがコンパクトにまとめられています。
  本書も当研究所員が執筆しています。
この他、尊像別の解説としては、大法輪閣出版の仏像入門シリーズ(観音さま、地蔵さま等)が面白いと思います。

本も、余りにも多すぎるので、時間をかけないといいものが見つからないし、そのうちに店頭から消えてしまうし、結構面倒なものです。買う本が決まっているなら、最近はやりのインターネット本屋さんを使うのも手かもしれません。

クロネコヤマトのブックサービス
http://www.bookservice.co.jp/
アマゾン・ジャパン
http://www.amazon.co.jp/
シーブック24ドットコム
http://www.cbook24.com/
ブックレビュー
http://www.bookreview.ne.jp/
等があり、安い送料で送ってもらえます。

出版社にて入手不可能なものは、古書の代理購買も可能ですので御相談下さい。


[1-4] 胎内仏・胎内遺物の文献があれば教えて下さい。

胎内仏・胎内遺物に興味があり調べていた所、こちらのページを見つけました。
これから仏像の胎内から見つかった文書についての研究をしたいと考えているのですが、よい文献があれば教えて下さい。
また、修理報告書は何処へ行けば閲覧することができるのでしょうか?


 石山寺の胎内仏のニュースには驚きましたね。確かに、胎内納入品は、仏像あり、摺仏あり、仏舎利あり、五臓六腑あり、古文書ありとバライエティーに富んでおり、なかなか興味深いものがあります。
 胎内納入品は、仏像の内部に納入されているという性格上、修理、調査の段階で発見されるものがほとんどであり、修理報告書に記載されるものが多いようです。
 逆にいえば、仏像は、先祖の供養、諸願成就のために造立されるものですから、胎内銘の記入や造立経緯、結願書、供養物を納入するのは当然の行いで、ほとんどの修理報告書にはその事が明記されているとも言えるかも知れません。
 それ故、個々の修理報告書を当るのが一番確実です(と言っても発行者もバラバラで、膨大な量です)。

 これらの、胎内銘、納入文書を纏めたものに、下記があります。
  日本彫刻史基礎資料集成 中央公論美術出版 
   (各時代別に1973年から順次出版されました)
  造像銘記集成 久野健 東京堂出版 1985年
 但し、これらは高価であり、東京であれば、中央図書館、国会図書館でご覧になるのが良いと思います。

 やや一般的なのは、かなり古いですが、
  仏像事典 久野健 東京堂出版 1975年(造像銘記集成のダイジェストが掲載されています)
  日本の美術(No.86)像内納入品 倉田文作 至文堂 1973年(胎内仏、胎内納入品の実例、解説が写真入でかなり詳しく説明されています)
 特に、日本の美術「像内納入品」をご覧になることをお奨めします(古書店でしか入手できませんが)。
下記の本にも、胎内納入品の項目があります。この本は現在でも販売されています。
仏像彫刻の鑑賞基礎知識 光森正士・岡田 健 至文堂 3,873 円
 4項 荘厳具と銘文・納入品に関する基礎知識

 仏像の修理調査は、それぞれの県、市町村が文化財調査の一環として、大学や国宝修理所等に依託して行うことがほとんどで、その結果は、各県市町村の教育委員会から文化財調査報告書として発行されます。
 最近は、町村起こしの一環として、市町村誌の編纂があちこちで行われており、この中に報告書が組込まれることもあるようです。
 しかしながら、これらは発行部数も少なく、発行直後には、その地域の本屋さんでも販売されているようですが、継続的に入手するのはなかなか困難です。その地方に行かれた時に、図書館及び教育委員会を訪ねてこまめに探すのが確実でしょう。

 基本書は、ホームページの文化財データ−文化財関係参考図書のコーナーもご覧下さい。