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はい、相模です。愛の意見を支持します。
年表見ながら考えたことなのですが、春日定慶が梵天像を造った建仁二年に湛慶が二九才だから、康運は二五才前後だと思います。春日定慶が康慶の弟子で運慶たちと同輩だったならば、春日定慶がもく若くして無くなったならば、運慶たちの衝撃も大きかったでしょう。
想像される一シーンを私なりに再現してみますとこうなります。
春日定慶 「もはや私もこれまでかと存じますなあ。長いこと臥せっておりました故、立つ術もないわい。明日は来迎の蓮の上などに・・・」
運慶 「叔父御!さように気のお弱い事を」
春日定慶 「運慶、あんたはますます立派になりやるなぁ。先行きをほんとに楽しみにしとったのじゃが・・・」
運慶 「・・・・」
春日定慶 「もし頼めるなら、私の名前をあんたの子供に継がせてやってくれんか」
運慶 「叔父御!それは・・・」
運慶は、春日定慶の弱弱しい視線をたどって後ろを振り返り、そこに康運がかたくなって侍っているのに気付いた。運慶が再び病床の人に向き直ると、相手の瞳がかすかにうなずいた。
春日定慶 「あの子に、どうかの」
運慶 「お許し下さるのですか」
春日定慶 「許すも何も・・私が頼んどるんやないかい」
快慶 「定慶さん!そうやってこれからも我々の中に生きつづようというのですか」
春日定慶 「快慶、あんたにも今まで世話になりっぱなしじゃったが、これが最後の頼みや。結局ずうっと世話になるわい」
快慶 「そんな、世話などと・・・」
快慶は運慶の横顔をみやったが、運慶は無言のまま、やがて床に手をついて頭を下げた。
運慶 「叔父御のおん名、康運に預からせていただきます。ご心配なく」
春日定慶 「おお、そうしてくれるか。やったのう、のう康運」
病人は手を伸ばして若者を手招きした。康運が頬を紅潮させてにじりよると、その手をとった。
春日定慶 「お前もこれからはいい仏像を自分なりに造るのじゃ。親父をしっかり支えてな」
康運 「定慶さん!」
春日定慶 「いや、今からあんたが定慶じゃ。間違えたらあかんぞ」
そう言って、春日定慶は久し振りに笑顔を見せた。
春日定慶 「ああ、これでもう一度兄者に会って話せるて。おれが名はお前の孫にあげたぞ、っての。これはええ土産話じゃな、のう」
病人の安堵にみちた声に、運慶も、亡くなったばかりの父親のことを思い出した。病人の笑顔が、そのまま父康慶のそれに重なった。よく似た兄弟であった。
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